Copyright COMO Inc. 2025
DXという言葉が、世の中に溢れています。
アプリ会社が「DX」という言葉を売り込むために多用している場面も、正直よく目にします。
「日報はこのアプリ」
「会計はこのアプリ」
「作業指示はこのアプリ」
気づけばアプリが乱立し、「結局どこに何が入っているのかわからない」
そんな状態になっている会社も少なくありません。
実際、先日ご一緒させていただいた会社様では、
17個のアプリを導入した結果、何が何だかわからなくなってしまった
というご相談を受けました。
アプリを入れたからDX。
私は、これはDXの本質から外れてしまっていると思っています。
一般的にDXは、次の3段階で語られることが多いです。
これは必要な一歩ではありますが、
DXそのものではありません。
ただ、DXと誤解されがちな部分でもあります。
多くの会社はここで「〇〇を入れた=DXした」と思って止まってしまいます。
ですが、これは部分最適でしかありません。
私たちが目指しているDXは、ここです。
私たちは施工管理アプリ「PICO(ピコ)」を作っています。
もちろん、PICOを導入してもらえるのはとても嬉しいことです。
でも、PICOを入れること自体を目標にはしていません。
第一の目標は、
現場の仕事が楽になること。
そしてもう一つ、
経営陣が集約されたデータをもとに、経営戦略を立てられるようになることです。
だからこそ、PICOを使い始める皆さんと、まず一番最初に一緒にやりたいことがあります。
それが、業務の棚卸しです。
DXで一番最初にやるべきことは、アプリ選定でも、ITツール導入でもありません。
それを全部書き出し、図にして、並べてみる。
そうすると、
という会話が、自然と生まれます。
この作業を飛ばして、いきなりアプリを入れても、正直うまくいきません。
私たちのDXの考え方は、製造業で長年使われてきた業務改善の考え方にとても近いと思っています。
製造業では昔から、
といった改善が続けられてきました。
製造業で使われてきたSix Sigma(DMAIC) というフレームワークも、考え方としてはとても似ています。
いきなり改善(ツール導入)から入らず、
まず現状を整理し、
どこに負荷がかかっているのかを見極める。
私たちがDXでやろうとしていることも、まさにそれです。
PICOを入れるときには、必ず「壁」になるところがあります。
大きく分けると、壁は3つあります。
50代、60代、70代の方が、新しい仕事のやり方を嫌がることはよくあります(年齢を書いてすみません。でも「なりがち」と思って流してください。全員が全員こうではありません)。
「前の方がよっぽど楽だった」と言われることもあります。
でも、新しいことを始めるのは、脳みそ的にも、気持ち的にも、とても負荷がかかります。
これまで積み上げてきた仕事を否定されたように感じてしまうこともある。
だから私たちは、現場に対するリスペクトを一番大事にしたいと思っています。
PICOを入れることが正しい、とは言いません。
ただ、皆さんの仕事が本当に楽になるということは、ちゃんと伝えたい。
お客さんの事情も、本当にさまざまです。
「紙で郵送してほしい」
「昔からこうやってきたから」
「自分のところ指定の報告書にしてほしい」
それも、全部分かります。
だからこそ、
どうしたら無理なく電子化を受け入れてもらえるか
(お客さんにとってのメリットを前面に出す)
を、一緒に考えていきたいのです。
顧客専用ページで、履歴・契約内容・報告書・データが見えるようにする。
そうすることで、電子化への移行が進むのではないか。
これはまだ仮説段階ですが、挑戦していきたい部分です。
これは、PICOが進化しなければいけない部分です。
フィードバックを、たくさんください。
コミュニケーションがしたいです。
現場に、すべての知恵が詰まっていると思っています。
私たちが作っているのは、あくまで「仮説」です。
現場が実態です。
仮説がずれることも、当然あります。
皆さんのご経験を、ぜひPICOにください。
必ず良いものに仕上げていきます。
(少しずつですが、進化していきます)
アプリを使いこなすには、どうしても学習コストがあります。
でもPICOは、
1時間くらい触ってもらえれば、大体の流れが分かる
ように作っています。
忙しい現場だからこそ、
私は、コミュニケーションがしたいです。
いろんな人が、たくさんのアイデアを持っているから。
それを知るのが、楽しい。
「これ、楽になるね」
「これなら使えそうだね」
その実感を持ってもらえたら、
チームPICOのみんなは歓喜します。
そこに至るまで、ぜひお手伝いさせてください。
私がPICOを作り始めたのは、現場の人を見たからです。
現場から帰ってきて、
施工ごとに待ち時間も発生するので、
拘束時間は長い。
でも、事務所に帰らないと事務仕事が終わらない。
一方で、管理側からは
「残業を減らせ、減らせ、減らせ」。
じゃあ、どうするの?
煩雑なことはITにやらせて、業務の本質的なことを施工担当者が担うべき。
それが、私の出した結論でした。
仕事だけで人生が終わらないこと。
仕事を効率化するのは、
一人ひとりの人生が、よりハッピーになるためだと思っています。
筋トレしてもいい。
推し活してもいい。
漫画を読んでもいいし、小説を書いてもいい。
カブトムシを育てて副業してもいい。
余った時間は、ぜひ自分のために使ってほしい。
PICOは、そのための道具です。
仕事の本当に大変なところに集中できるように。
より質の高い仕事ができるように。
その素地を、
一緒に作っていけたらと思っています。
そしてこれは、現場の人だけの話ではありません。
一人ひとりが余白を持ち、仕事に前向きになり、毎日を少しでも楽しめるようになると、その空気は必ず仕事に表れます。
お客さんへの対応が変わり、現場の判断が変わり、結果として、顧客満足度が上がっていく。
経営者にとっても、
そんな良いサイクルが生まれます。
最高の顧客満足度を得たいなら、まず従業員がハッピーであること。
私は、そう思っています。
理想論じゃなくて、本当にこれは現実になります。
良い循環はくるくる良いサイクルを作ります。
やりましょう、DX!